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解答>辞世の句クイズ [fuzzyな日記]

5月16日の辞世の句クイズの解答です、答を見れば「あっそうだ」と思える句ばかりだと思いますし、ヒントで簡単に分かってしまった方も多く居たかと思います、当然分かってらっしゃった方も多く居ますね。
私なりの解釈(異論が有るかと思いますが)を添えています、どの句も残した人物の心境が伝わるすばらしいものだと思います。残された句は、後世の創作かも知れませんが、この句はこの人が残した句と信じたいと思う私です。
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清水宗治の辞世の句碑
1)「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速(なにわ)のことも 夢のまた夢」
答>豊臣秀吉・・・百姓雑兵から天下人の上りつめた秀吉の生涯は夢のような時間だったのでしょう、まさにジャパニーズドリームの生涯、天下人でも死を迎えるにあたり人生の儚さ、そして走馬灯のように頭を巡る思い出に死の淋しさを感じたのでしょう。
2)「あら楽し 思いは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし」
答>大石内蔵助・・・見事に主君の仇、吉良上野介を討ち晴れ晴れとした心境が句に表れています、しかしあまりに有名なこの句は主君内匠頭の墓前に討ち入りの本懐を遂げた報告の際に詠んだ句ですが辞世の句として後世に残りました、切腹に際し読んだ辞世の句は「極楽の道はひとすぢ君ともに阿弥陀をそへて四十八人」だそうです。また「あら楽し」は「あら楽や」だとの説もあります。
3)「君が為 尽くす心は 水の泡 消えにし後は 澄み渡る空」
答>岡田以蔵・・・君は師と仰いだ武市半平太、その武市が吉田東洋暗殺の発覚を恐れ以蔵を毒殺しようとし、その事実を知った以蔵は、いままで武市を慕い尽くしてきたことが水の泡の如く潰えた無念さと己の死に際して潔さとこの世に未練が無い心境を感じる句です、この句には「澄み渡る空」と「澄み渡るべき」の両説ありますし、君は天皇を指すとの説がありますが、下級武士で無学とされた以蔵が天皇を句に詠むとは考えにくいですね。
4)「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」
答>石川五右衛門・・・歌舞伎の名セリフですね、自分は死んでも、この世の乱れに同じような人間が現れるのを示唆した句です、一つの警鐘ですね。しかし実際に五右衛門が詠んだ句とは考えにくいですね、浄瑠璃での創作と考えるのが普通でしょう。
5)「浮世をば 今こそ渡れ 武士(もののふ)の 名を高松の 苔に残して」
答>清水宗治・・・秀吉の水攻めに落城戦前の備中高松城、本能寺で主君信長が落命、早く京に戻りたい秀吉から出された講和条件の切腹を受けいれた宗治、死して名を残す「もののふ」の心境が痛切に表された句ですね、また兄の月清入道の辞世の句「世の中に惜まるる時散りてこそ 花も花なれ色も色なれ」も良い句ですね。
6)「風さそう 花よりもなお 我はまた 春の名残を いかにとやせん」
答>浅野内匠頭・・・刃傷により死を賜る内匠頭、「春の名残をいかにとやせ」本当に無念さを感じさせる句ですね、この句は後世の創作だと言う方もいますが、この句なしには「忠臣蔵」は成り立たないくらいの存在ですね。
7)「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留めおかまし 大和魂」
答>吉田松蔭・・・、自分の死を乗り越えて意志を継ぐ者が出る事を示唆した句ですね、そして外敵に対する日本人を鼓舞する句だと思います、彼の死後、松蔭の門下生は意志を継ぎ討幕、新政府樹立を果たしました。この句の「大和魂」が松蔭らしいところですかね。

記事の最後に北の庄に散った、柴田勝家とお市の方の句、「夏の夜の」「夢路」「ほととぎす」が二人の句に盛り込まれ詠まれています、二人で死を迎える最後の姿が目に浮かんでくる程の、切ない句ですね。
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