奥州の歴史小説>高橋克彦氏その4 [fuzzyな日記]
今回は、豊臣秀吉に喧嘩を売った男「東北の英傑九戸政実」の物語「天を衝く」です。世は秀吉が天下統一の最終仕上げの頃、奥州を傘下に治めるべく南部一族を懐柔します、南部一族は一戸から九戸まで連立し南部一族を形成していますが三戸家(南部宗家)の弱腰に対し政実(北の鬼)は一族内でも最大の軍事力を誇りますが、一族内では秀吉に従う意向であった為、厄介者扱いとなってしまいます、そこで政実はあくまで奥州武士(蝦夷)の威信を懸け叛旗を翻します。わずか5千の兵力ですから叛旗より正に喧嘩を売ったが相応しいですね。豊臣軍は6万~10万とも云われる軍勢を派遣、政実は九戸一族5千を率い敢然と立ち向かい敵を翻弄し(ここが実に痛快)石田・伊達・蒲生などを相手に存分な活躍をしますが、最後は無念にも制圧されてしまいます。この戦いの源流にあるのは「蝦夷」VS「大和」の奥州制圧に対する抵抗の歴史だと筆者は伝えたいのだと感じます。先に紹介したアテルイから始まり安倍・清原・藤原氏を経て九戸一族まで中央の奥州に対する蔑視、征服は脈々と存在し歴史を積み重ねてきました。又、その歴史は太平洋戦争まで引き摺ります、戦争時東北の部隊が最前線に配置されたそうです。負けを覚悟しながらも奥州蝦夷の尊厳を示し散っていった九戸一族やアテルイを始めとする奥州蝦夷にその生き様を賞賛し、哀悼を捧げたいと思います。これで、高橋氏の書とお別れします。次回は熊谷達也氏の「荒蝦夷」「まほろばの風」を紹介します。またまた、蝦夷物で申し訳有りませんが、当方おもいきりはまってしまいましてお許しください。
蝦夷物大いに歓迎いたします(*^^)v
中々どなたかに勧めて頂かないと
人間自分の枠を超えられないもので(^^ゞ
こういったお話を聞く機会はトテモありがたく思います。
by 甘党大王 (2009-06-24 20:46)
甘党大王さん、こんばんは「火怨」が一番のお勧めだと自分は思います。単行本で上下2巻ですから読みやすいと思いますし、単なる歴史物だけで無く本当に感動できる作品に仕上がっています。評価も人気も高いですので是非お読みください。
by fuzzy (2009-06-24 22:49)